著作者: Georgie Pauwels

小さい頃からスポーツに取り組み、将来プロスポーツ選手として活躍していくための1つの通過点となるのは速く走る事が出来るかどうかです。

陸上競技に取り組んでいる子どもであればもちろんの事、サッカーやバスケットボールなどの球技、さらには柔道などの一見走る動作とは無縁に見えるこの競技でも、速く走れる(瞬発力がある)に越した事はありません。

特にこれと言ったスポーツに打ち込んでいない場合でも、走るのが速いと言う長所はこれから先の人生への自信にも繋がります。

何より小学生から中学生の子どもの内は、走るのが速い子ってすごいモテますよねお父さんお母さん!(笑)運動会などのスポーツ系のイベントで華麗に走り抜ける姿はそれだけでもカッコいいもの。

でも、実際子どもの走力を上げたいんだけど、どんな練習をしたらいいのかな・・?適当に走ってればその内速くなるのかしら・・?色々疑問を抱えてしまいますよね。

そこで今回の記事では、どんな走り方をしたら運動会でヒーローになれるのか、私の経験論も踏まえて書いて行こうかなと思います。

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自己流の走り方は癖になります


まず、先に言っておかなければいけないのが、自己流の走り方が体に染みついてしまいますと、その癖を治すためには相当な努力が必要になります。

確かに、闇雲に走っていてもある程度は速くなれるのですが、そこから上に行こうと思うとなかなかタイムが伸びずに苦労する事になるんですね。(私の体験談)

中学生ぐらいになると、それまで身に着けていたフォームが無意識に出てくるようになりますから、まだまだ若い小学校低学年の時期から正しい走り方をマスターする事が求められる訳です。

走るだとか、投げる、蹴ると言う動作は、幼少期が1番習得しやすい時期であると言われています。まだ小さいから・・ではなく、本格的にスポーツの技術を高めていきたいのであれば、小さい内こそ徹底した技術を身に着けて行く事をおすすめします。

速く走るための技術


それではいよいよ速く走るためにはどのような練習をしていけばいいのか、について見て行きましょう。

実際に走ると言う動作は簡単なようでとても奥が深いため、各部位別に分けて細かく説明をして行きます。

一度に全てを意識しようと思うと、頭と体が追いつかずなかなか技術習得するのが難しくなってしまいますので、ステップを踏みつつゆっくり覚えて行く事が大切です。

焦ってしまいますと時間だけが過ぎてしまう場合もありますので、ゆっくりと着実に一つ一つの動作をマスターして行きましょう!

ここでは大きく分けて腕・脚・姿勢の3つのポイントを解説して行こうと思います。

腕の振り方について


走る動作は脚が中心に動いていくイメージがありますが、それと同じくらい大事な役割を果たすのが腕の振りです。

腕の振りと脚の動きは連動していますので、どのように腕が振れているかで速く走れるかそうでないかに大きく影響を与えます。

まずは基本となる腕振りから解説をしていきますね!

腕に力を入れ過ぎない


どうしても速く走ろう速く走ろうと思うと、足だけでなく体全体に無駄な力が加わってしまう事があります。

腕もその例外ではなく、がっちがちに固まってしまいまるで棒のように動かしながら走っている子を見かけますが、これはあまり良くはありません。

腕はあくまでもリラックスをさせ自然な振りを心がけて行きましょう。力を入れるポイントは出来る限り肩を中心に行い、肘から先は無駄な力を加えないのが上達のコツ!

肩を中心に動かしていくイメージで


よく走る時には「腕を振る」と言った指導がされるかと思います。

そのため腕を意識しがちになってしまうのですが、走る時には腕ではなく肩を中心とした振りを意識して行く事が大切です。

肩を軸にしてそこから自然と腕を動かしていくイメージですね。肩の位置が大きくブレてしまいますと、力が分散されてしまうため前へと進む推進力が弱くなってしまいます。

無駄な動きを抑える事で、後半失速せず出来る限りトップスピードを保ったままゴールテープを切る上でも役に立ちますし、見た目的にもカッコいいんですよ。

腕は後ろに引く事を意識する


走ると言う動作は体を前へ前へと運んでいきますよね。

となると、腕を後ろに強く引く事で前方への強い推進力を引き出す事が可能になります。

たまに腕が後ろに引けておらず、体の前側でちょこちょこと振っている子もいますが、ちょっともったいないなーと思ってしまいます。

また、腕を前後ではなく女の子走りのように横に振るのも速く走ると言う上ではNGです。脇が開かないようにしっかりと閉じて走るようにしましょう。

肥満体系の子も、脇から広背筋にかけて脂肪が突っかかってしまい腕を前後に振る事が出来ない場合もあります。このケースであれば、まずは脂肪を落とす事から始めてみるのもいいかもしれませんね。

手はパー?それともグー?


走っている時の手の形って気にした事ありますか?

よーく人が走っているのを観察していますと、パーにして走っている人もいればグーにして走っている、もしくは独自の手の形をさせて走っている人など様々です。

これに関して言えば特に決まった形と言うのはなく、自分の走りやすい手の形で大丈夫です。元々グーで走り慣れている人が急にパーにしても、いつもと違う感覚なため走りにも狂いが生じやすいです。

ただ、グーで走られる方は強く握り過ぎないように注意が必要です。末端に余分な力が入ってしまうために動作がぎこちなくなってしまいますし、握りが強すぎて爪が皮膚にめり込んで怪我をしてしまう事もあります。(私の体験談です。(笑)爪が長い人はきちんと短く切っておきましょうね)

脚はどのように動かすべき?


一通り腕の振り方についての解説をしてきましたが、どうだったでしょうか?

とても単純な事のように見えて、いざ実践をしてみると思っている以上に難しく感じると思います。

さて、次はいよいよ走る動作におけるメインの動きである脚をどのように動かしていくべきか、について見て行きます。

ここのポイントをしっかりと抑えられるかどうかで、運動会でヒーローになれるかどうかが大きく変わって来ますよ~!

上げるよりも下ろす方を意識。蹴るのではなく押す意識で


試しに私が子どもたちに、「今自分が出来る理想的なフォームで走ってみて~!」と言うと6割近くの子は脚(もも)を高く上げた走り方をします。

実は走ると言う動作において、足を上げるのではなく足を降ろす動作の方が重要視されていて、素早く下ろす事でピッチ(回転数)も高まりますし、地面を押す力も強くなりますのでストライド(歩幅)も大きくなっていきます。

また地面を蹴るように走る子もいるのですが、蹴ると言うイメージを強く持ちすぎてしまいますと、足が後ろに流れやすくなってしまいますので、足の運びがぎこちなくなる原因にもなります。

確かに走りに慣れていないと土のグラウンドは蹴る方が速く走れるように感じるのですが、今後中学生から高校生、さらには大学生や社会人になるまでスポーツに取り組んでいくのであれば、地面を蹴るのではなく押すイメージで走る事をおすすめします。

足の着地点は体の真上あたり


振りだした足を着地させる地点としては、上半身のほぼ真上あたりに着地させる事が理想です。

仮にも体よりも前方へと着地させてしまいますと、着地させた方の足がブレーキとして機能してしまいスピードに乗り辛くなってしまいます。

なかなかトップスピードに乗れなくなってしまうだけでなく、摩擦によるダメージで足が痛くなってしまうと言う場合も・・・。

こうならないためにも最初はジョギングのようなゆっくりのスピードでも構いませんので、前に振りだした足を体の真上に着地させるような練習を取り入れてみてもいいですね。

足の運びは真っすぐを意識。斜めを向かない事


当然と言えば当然ですが、順位を争う競技で斜めに走っていく事ってありませんよね。

真っすぐ走る事が大事になってくるのですが、着地をした足先が外側でしたり内側など斜めを向いてしまっている子も結構多いんです。

骨盤の形状などを踏まえると、男の子が外側を向き、女の子が内側を向いてしまう傾向があります。真っすぐ走ると言う点において足先が斜めを向くのは力が分散されるため不利になってしまいます。

地面を押す時も真後ろに力が働くのではなく、斜め後ろに働いてしまうと考えるとそれだけでも大きなロスとなってしまいますよね。

しかもこの癖はなかなか治り辛く、意識をしていてもなかなか出来ないと言う子も多く、専門的な指導を受けてやっと改善されたと言うケースも少なくないようです。

姿勢や走り方で意識するポイントは?


走る時の腕と脚の動作について見てきました。

次は最後の到達点である、全体的な姿勢について重要な点を各ポイント毎に解説をして行こうと思います。

上半身は倒し過ぎず起こし過ぎず


速く走ろうと意識をすると、無意識の内に体が前に倒れてしまっている事ってありませんか?

勝ちたいと言う気持ちが強く出ている点は良いのですが、あまり体を倒し過ぎてしまいますと減速の原因にもなってしまう可能性があるんです。

実際に体を思いっきり前に倒しながら走ってみると分かると一発で分かるのですが、足が上手く前に出せないと言う事が分かるかと思います。

また、体が前に倒れている事で「足のポイント」でも解説したように、足の運びが後方中心となってしまい流れやすくなってしまうんです。

さらには足が追いつかなくなってスリップをして転倒してしまうと言うリスクも・・・。運動会などのスポーツ系イベントで転んでしまうのは何としてでも避けたいですよね。

かと言って体を起こし過ぎるのも良くありません。せっかくスピードに乗ったのに体を起こし過ぎてしまい重心が後ろに残る事でそれだけでブレーキとなってしまいます。

理想的な角度は75~85°あたりですが、具体的な数値にこだわるまで神経質になる必要はありません。スムーズに足が運べており、身体が後ろに倒れ過ぎていなければ大丈夫です。

顎は上げずにしっかり引く


走っている時に後半になり疲れが生じてくると、無意識の内に顔が上を向き顎が上がってしまう子も多いようですね。

疲れて来たんだけどどうしても勝ちたい!と言う子に多いこの現象ですが、顎が上がる事で姿勢も猫背気味になってしまうのであまり良くはありません。

フォームも乱れがちになってしまいますので、後半になると疲れてくるのですがそこをグッと抑えて顎は引いた状態で最後まで走り切る事がタイムを縮める上で大切です。

顎は引くんだけども、視線は地面に落とすことなくゴール地点を見据える事でレースにも集中出来ますし、ゴールを切る瞬間まで理想的なフォームを保ち続ける事が出来ます。

どうしても疲れてしまうと言う場合であれば、走り切れるだけの体力を運動会や競技の前までに付けておくのも効果的ですね。トレーニングあるのみです!

腰が引けていない事


走る時に上半身だけが前へ前へ行こうとして、腰が引けお尻を後ろに突き出しながら走っている子もよくみかけます。

腰が引けてしまいますと、足が後ろに残りやすくなってしまうため、どうしても前方への推進力へと繋げにくくなります。

ポイントとしましては走る時に上半身を前へ移動させるのではなく、骨盤周りから動いているような感覚を持ちながら走る事で意識しやすくなると思います。

また意識はしているんだけど、後半になると腰が引けてしまうと言う場合は体幹周りの筋肉が弱いからかもしれないですね。腹筋や背筋など身体の軸となる筋肉を鍛えておくとよいでしょう。

スタート直後はピッチ重視、スピードに乗ったらストライド重視


効率よくスピードに乗って行くためには、走りにおける各局面で走り方を変えて行く必要があります。

スタート直後はほぼ0の状態から動き出しますので、出来る限り早くトップスピードに持っていかなければなりません。

自転車のギアを思い浮かべて頂けたら分かるのですが、止まっている状態から漕ぎ始める時ってほとんどの方が1番軽いギアから始めると思います。

そしてある程度スピードが出始めたらギアを重くしていき、少しの力だけでも漕ぐ事が出来るようになりますよね。

走りもこの原理と同じで、スタート直後は歩幅をいきなり取るのではなく足の回転率を高める事で、爆発的な火力を生み出していきます。

そしてスピードに乗り始めたら出来る限りピッチを保ちつつ、出来る限りストライドを大きくしていく事で走るスピードを高めて行く事が出来るんですね。

初めからストライドを広く走ってしまいますと、筋力が必要となり無駄な力を使ってしまうので後半にバテてしまう原因にもなってしまいます。

走る時の練習で意識しておきたいポイント


コンクリート上では走らない


手軽に走れる場所として道路があります。

近くに大きな公園は無くても、道さえあればいつでもどこでも練習する事が出来ますよね。

ただ、コンクリートはとても硬く、長い間走り続けてしまうと膝や関節を痛めてしまう原因にもなります。

特にまだまだ成長段階にある子どもたちの骨は柔らかく、ケアがしっかり出来ていないとすぐに成長痛になってしまいますよ!

公園までの道のりが遠かったとしても怪我をしてしまったんでは元も子もありませんので、グラウンドや陸上競技場のトラックのような場所で練習をするのが良いでしょう。

数よりも質。1本1本に集中して行こう!


スポーツを上手くして行くと言うと、ひたすら数をこなせと教える指導者の方もいらっしゃいます。

確かにひたすら走り込みをして体力や走力を付けて行くのも大切な事ですが、私は量よりも質を重視する事をおすすめします。

理由は2つありまして、1つはただがむしゃらに走りこんでいても正しいフォームが身に付かず変なフォームが体に染みついてしまう事、もう1つは限られた時間の中で効率よくトレーニングをするためです。

例えば、疲れてしまったからと言って体の軸がブレたまま走り続けたところで、速くなれるとは思いません。確かに一時的には速くなるかもしれませんが、それ以降なかなかタイムが縮まらないと言う事もよくあります。

そうではなく、1本1本いいフォームを意識しつつ走って行く事で体が次第に適応していき、無意識でも理想的なフォームで走られるようになっていくはずです。

身長が大きい方が速く走る上で有利


走りの速さを決めるとても単純な計算式として、ピッチ(歩数)×ストライド(歩幅)で決定付けられます。

1秒間に刻む歩数が多ければ多いほど、1歩で進む距離が長ければ長いほど走るのが速くなっていくと言う訳ですね。

ちなみに2017年2月現在、この地球上で1番速く走った記録を持つ男ウサイン・ボルト選手の場合ですと、ピッチが4.23歩に対してストライドは平均して244.4cmであると言われています。

特にストライドに関して言えば、スタート直後はそこまで広くはなくあくまで平均してこの数値ですので、ピーク時には3mを越しているのではないかと言うデータもあるぐらいです。

さて、走るためにはこのピッチとストライドが重要になってくるのですが、実はピッチに関して言えば少ない人でも4歩ほど、多い人だと5~5.3歩ほどと言われており、あまり大きな差は生まれないんです。

速く走るために大事になってくるのはピッチではなく、1歩でどれだけ距離を稼げるかのストライドに大きく依存しているんですね。

一般的に日本人が陸上の短距離で世界的に結果を残す事が難しい理由の1つとして、体格によるハンデが挙げられています。技術や研究面においては他国よりも進歩しているため、昔に比べてある程度は戦えては来ているのですが、やはり体格面をカバーするのは難しいものです。

話しは逸れてしまいましたが、運動会で徒競走やリレー競技でヒーローになりたい!スポーツで本格的に運動能力を高めて行きたいのであれば、やはりある程度の身長が必要になってきます。

俊敏性を競うのであれば小柄であっても問題はないのですが、単純に走ると言う事だけを考えると身長が低いよりも高い方が間違いなく有利と言っても過言ではないでしょう。

やはり足の長さにも差が出てきてしまうため、身長の小さい子は大きな子にストライドで差を付けられてしまうためです。

子どもの走力を本格的に高めて行きたいと考えている親御さんの多くは、子どもが小さいうちから最終的な身長を高めるために、食事や睡眠に妥協をさせない他、身長を伸ばすサプリを使っている方も少なくありません。

何にせよ身長が伸びる期間は限られていますので、子どもには損をさせないようにしてあげたいですよね。

今走るのが遅くても焦る必要はありません


とは言え、身体がまだまだ成長段階である子どもの内であれば、例え今走るのがそんなに速くなくてもそこまで落ち込む必要はありません。

中には何も練習をしないでも速く走る事が出来る才能の持ち主もいますが、きちんと正しい知識を持ちながら練習に取り組み、食事や睡眠など体を強くして行く生活を続ければいつかは速くなれるでしょう。

確かに急に速くなる訳ではなく、何日もかけてゆっくりと速くなっていくので実感はあまり沸かないかもしれませんが、昨日よりも今日、今日よりも明日と徐々にではありますが成長して行きます。

成長期の訪れには個人差があり、もちろん早く成長期を迎えて体が大きくなっていた子の方が瞬間的には速くなるでしょう。一時的に速くなったからと言ってそこで油断をしてしまうとどんどん追い抜かれてしまいます。

やってはいけないのが、自分は走るのに向いていないからと練習を止めてしまう事。これではいくら伸びる余地はあっても成長していく事ってありませんもんね。継続は力なりをモットーに頑張って行きましょう!

また、人の筋肉には2種類あり瞬発力系の「速筋」、持久力系の「遅筋」があります。どれだけ練習をしてもなかなか速くならない子、もしくは体の線が細い子の場合短距離走よりも長距離走の方が向いている場合もあります。

遅筋が多い子はある程度は短距離は速くなるのですが、どちらかと言うと長い距離を走る競技などが向いているかもしれませんよ!自分の体の特徴を知っておき、特技を活かした競技に打ち込むのも成功する秘訣です。